患者会「松樹会」の活動内容

「フットケア」

機関誌 「松樹会ニュース」 Vol.32より
松尾クリニック   院長 松尾 美由起



 最近皆様もよく耳にされるメタボリックシンドロームですが、おなかの周囲計は気になりますでしょうか?動脈硬化などの病気をいかに予防していくかが重要で、少しでも早くその兆候を見つけ、生活習慣を見直していく必要があり、テレビなどでもよく取り上げられるようになりました。

 さてこの秋、スイスとドイツでのフットケア学会(足の手入れと靴の学会)に行ってきました。
欧米ではご存知のように歩けるようになってからずっと靴をはいている生活で、特に糖尿病の足の病変で悩んでいる方が多いのです。そのため靴による圧迫などで足が変形したり、糖尿病の合併症で血流が悪くなり皮膚に深い傷(皮膚潰瘍)ができ、それが元で骨に至るまで変形している方が多く、ちゃんと歩けるようにといろんな研究がなされています。

 病院では、12台のコンピューターを使って、歩いている時のどこに余分な圧力がかかってタコやウオノメ、皮膚潰瘍や骨の変形が起こるのかが研究され、その人にあった靴とインソール(靴の中敷き)を整形外科の医師と靴の専門家が協力して一人一人にあった注文靴を作っています。

 また、糖尿病の血流障害のためにできるだけ足の切断をせずに歩けるようにリハビリ靴の工夫がなされています。地雷で足の一部が切断された子どもに見栄えも格好も良い靴を作り歩けるようにしたりしています。

 また、「足の専門師」が免許をもって働き、足の「タコ」や「ウオノメ」を削ったり「巻き爪」の処置をしています。スイスの足のケアは70年の歴史があり、今は最先端をいっています。私たちは何気なく「足に悪くても格好のよい靴」を履いて颯爽と歩いていますが、歩けるということがいかに良いことかをちょっと考えて生活習慣をみなおしてみたいものですね。

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