● 医療情報をどう入手するか..... ● インターネットも役立つ
提供: だいとう循環器クリニック 院長 大頭 信義
◆ 医療情報は誰もが欲しい
病気に対する対応は、新しい症状が現れた場合の対処も大切であり、また一方では、慢性的な疾患の進行に対しても自分なりの工夫や対応が求められるようになりました。チアノーゼ性心のように先天的な病気であったり、極めて高いコレステロ−ル値を示す場合のようにそれが体質的な特質である場合もあります。また、長期にわたる生活習慣から生み出されてくる疾患もあるでしよう。
このような疾患や健康に対処するには、病気の性質や症状、また診断や治療の方法に関してもある程度の、自分なりの知識を持ち合わせることが重要だと、だれもが感じるようになりました。
◆ 一番身近な方法は、隣人・友人から
なんといっても、手っ取り早い情報源は、隣人・友人です。
どこにも情報通はいるもので、自分が心配している症状はもちろんのこと、時には、気付いていなかった点まで解説をしてもらえる場合があります。
最近しばしぱ、腰痛が出るようになった人に対して、「そりゃきっと、骨そしょう症やろ」と教えて、医者で骨量を測って貰うことや、カルシウムを摂取するために自分は牛乳を1日2本飲んでいるが、コレステロ−ルを心配して「低脂肪」のものを買っているという風に、実に現実的で役に立つ情報を伝えてくれる。特に、そのひと本人や家族がかかった病気に対しては、身を持って体験しているのだから詳しく説明してくれるでしよう。
◆ しかし、間違いも多い
しかし、間違いが多いのも事実でしょう。一概には言えませんが、健康や病気に対する知識には、いろいろな種類の情報が混在していますから、こんがらがってきます。
いまでもよく、「手のひらが赤いのは肝硬変だと教えられた」といって本気で心配してやってくる方があります。「そうです、肝臓病が進行するとよく手のひらが赤くなります。でも、あなたは違いますよ。」といってこれまでに調べた検査値をひっくり返して確認します。しかし、納得するには、しばらく時間がかかるようですね。あまり、血液検査もなかった数十年前には、手のひらの赤みは肝炎の肝硬変への進行を示唆したと思うのですが、なにかあればすぐ血液検査ができる時代では、そのデーターが肝障害を示していなければ、いくら手のひらが赤くても肝硬変であるとは考えられない、というのが事実のようです。
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