医療情報の開示
 

患者が創る自分の「病歴カード」
 

その具体的な例を、以下に示す。
                         
悪性疾患 病識スコア
     
スコア
医療者の説明
患者の認識
関連病名で説明 悪性を意識しない
「腫瘍」と説明 悪性を少し気にしている
悪性だが切除できた・がんになりかかっていると説明 悪性を強く疑っている
がんの取り残し、再発の可能性を説明 悪性腫瘍の存在・再発を知って心配している
転移も含めて全体的に説明 近い将来の死を覚悟している

     
  この「病歴スコア」は、医療者の認識を共通にして患者や家族との話し合いや対応に利用するものである。初心時に主治医やナースが話し合って、スコアをカルテの所定の場所に記載しておく。スコアは2つの数字で成り立っているが、1つ目が医療者からの説明、後の数字は患者が自分の病気をどう認識しているか、診察室での話、家族からの聞き取りなどから、私たちが「推測」したものである。診療と共に「スコア」は変化していく。最初の診察時には、「3−3」であったものが、説明が進めば、「5−5」にも変化する。その様子もカルテに記載していく。 このような、作業を日常的にやってみて、「告知」というのは、私たちのスコアでは(「医療者の説明」)「4」と「5」の場合がそれに相当していると定義している。
 では、在宅療養を希望したがん患者の場合、「告知」はどうのように進行しているのか。  私たちのクリニックでの在宅ホスピスケアをうけて亡くなった方は、97年23名、98年は30名と次第に増加してきているが、その「病識スコア」がこの数年どのように変化してきたかをグラフ化して示した。

病気の説明

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