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● 痴呆性老人の生活を支えるために ●


提供:痴呆性老人症例研究会 Hデイサービスセンター 理学療法士


1.デイサーピス利用の判定基準の格差

たとえぱ、B型肝炎に対する職員の知識が不十分なため、デイサーピスが利用できない場合や、各区のディサーピスの職員の判断の違いにより利用判定基準に差が見られる。専門医の関わりにおいても、薬のみの方から介護相談その他までされる方まで、さまざまである。
2.家族からの情報を活かすこと
対応困難な鯛には、家族から本人の生活史や職業、趣味などを教わり、病院や施設での生活に活かすことが大切である。絵本、人形など遊ぴを取り入れたり過去の役職名で本人を呼ぷなど、生活全体がリハビリテーション、レクリェーションであるという認識を持つことが大切である。
3.ショートステイの前段階としてのデイの利用法
週1回の通所ではとても家では看れないケースを、デイサーピスに毎日遊びに来ているという形で利用してもらった結果、施設や職員員となじみができてショートにうまくつなくことが成功した例がある。
4.環境設定で改善する異常行為、問題行動
徘徊、妄想のほとんどは心因反応であり、人的・物的な環境設定を行っていくことが重要である。ある県での精神科医へのアンケート結果(19名)では、ほとんどの医師が徘徊・妄想は治ると回答し、薬の使用反対者が2割強みられた。薬がつくる痴呆はたくさんあり、問題行動がみられる方の約1〜2割は入院加療を必要とするが、残り約8割まデイケアでの対応で良くなると思われるため、薬物の必要は限定される。
5.デイケア援助における留意点
・家族の余裕をつくる。家族に理解してもらうには、家族のプライベートタイムを保証する。週5回デイを利用し、土日は家族、またはショートでみていくようにすると家族に余裕ができる。本人は昼間のデイケアで外面を保つことができ、夜も良く寝むる。
・健常老人と痴呆性老人は、いじめが起きるので一緒にしない。
・利用者どうしのコミュニケーションを阻まないように、関わりあいを持ちすぎない
・「その人らしい人格」を保つこと、ケース自身に改善するカがあることを保障する。
・「介護者・家族が理解していない!』と言わない。本人を一番理解し、苦労しているのは介護者であるという前提をもって、大変な気持ちをきっちり聴く。
・送迎は職員と介護者のコミュニケーションが途切れるおそれがあるのでしない方がよい。むしろデイの利用時間を長くして、仕事掃りに迎えに来られた家族の顔を見て話すことが大切である。
・家族会など同じ痴呆をもつ介護者が話す場面を確保することや、デイケア職員とだけではなく、地域との連携で支えていく認識が必要である。

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