● 患者が創る自分の「病歴カード」 ●
1.「開示」が本来持つ意味は
患者は、自分の身体の状況を知りたいものだと思う。
何か心身上のトラブルが生じたり、不安を感じた時に医療機関を訪れたり、 検診を受ける。その結果をできるだけ詳しく知る、嘘偽りなく知りたい、という思いは、極めて当然であろう。
一方、医療者にとっては、診療は多くの場合、公的な保険診療であり、医療は社会的な契約に基づく公的な行為であるから、常にその内容を開示する準備が必要であろうと思う。患者本人やその正当な代行者から求められれば、開示すればよい。その内容が相手に判りにくいと思うなら(たいていの場合は、一般人にはとても判りにくいことが多いが)理解してもらいやすい形式や方法の採用へと医療者の間で工夫していこうではありませんか。重要な点は、カルテの記載方法に問題の多い現状であっても、求められれば開示していくことではないかと考えている。
2.医療者が判りやすい説明の仕方を工夫しよう
患者に病状や治療法を説明する方法は、無数にあると思う。カルテのコピーそのものが最も有効な方法ではなかろう。日常診療のなかで、折りに触れそれぞれの医療者が情報伝達の工夫をこらすことが大切だ。
ある病院では、診察室での説明を熱心に行うだろうし、ある診療所では、疾患の説明パンフレットを念入りに準備している。また、その説明を、請われればカセット・テープに録音して渡している医者も知っている。
「カルテ開示」は、患者への情報伝達の1方法なのだろう。
3.私のクリニックの情報開示
クリニックを訪れる新患さんには、12項目をまとめたパンフレットを手渡している。その「クリニックから皆さんに提供できるサービス」の項目は以下のような
小冊子である。
1)明細領収書を発行します
2)検査結果用紙を手渡します
3)カルテの内容をお見せします
4)病歴カードの作成をお手伝いします
5)薬効表を発行しています
6)往診・訪問看護にお伺いします
7)在宅訪問リハビリテーションのお知らせ
8)電話相談に応じます
9)「花みずきの会」へのお誘い
10)健康教室への参加
11)待合室での展示を歓迎します
12)播磨ホスピス在宅ケア研究会とボランティアグループ「ひだまり」、
遺族の集まり「ひまわりの会」へのお誘い
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