
● 自己の医療情報は自分でコントロールする ●
2.再診時に
◇判るならば病名を聴く
診断が簡単にはつかない疾患もありますが、できるだけ「現段階では、どのような病気と考えられるのか」と病名を尋ねるようにしましょう。どの医者も懸命になって病囚の究明に頭を働かせてくれています。判断できない段階でもどのような可能性があるのか話してくれるでしょう。
時には、解説の絵を描いて<れたり、解説の書やパンフをもらうこともありましょう。
◇検査デ―夕―を受け取る
できれば、血液検査や心電図の特別な不整脈のときなどには、コピーをもらったり、自分のノートにメモを取りましょう。医者の方でも検査結果を大切にされる方を尊重する気持ちがあります。
病院によっては、CTのフィルムまでコピーをして手渡していただける場合があって、本当に恐縮しています。将来は、コピーなどの実費を負担することも必要になるでしょうね。
◇診療効果を医療者に伝える
初診からの治療の効果の様子をきちんと伝えましょう。効果が上がっているようですと、医療者もとても嬉しいものです。薬に関する副作用についても心配な点は話しましょう。
降圧剤の服用効果を見るのに、丁寧に血圧を記録して頂いている場合や、風邪でも、その発熱の様子をきちんと記録されているのをみると、医療者も襟を正す気持ちになります。
3.日常の診療の中で
◇医療記事や健康薬品についても相談を
自分の疾患と関連のある記事を切り抜いて来てくれる方には、頭が下がります。
なかには、私たちが気付く前に薬の副作用のニュ一スを持ち込んでくれる方もいて、赤面することもしばしばです。
いわゆる「健康食品」や「健康器具」の評価はなかなか難いしい問題をはらんでいます。多分、医療者にとって、それぞれの薬や治療器具に対する評価が異なることでしょう。ご自分が気に入っている方法なら、特に有害だと判断されることがなければ試してみられればいい。ただ、本当に使用効果を期待されるならば、それが何に効くと説明されているかをきちんと聞き出しておくのがよい。単に「体にいい」などと説明し
ているようでは、牛乳、きなこ、赤ワインのそれぞれは有用な物質だと思うがそれをミックスしても特に効果があるとは思えないのです。
◇がんの説明について
日本ではまだがんの「告知率」は高くなく、30%未満のようです。しかし、じりじりと上昇しています。
97年のがんによる死亡者の割合がついに30.1%となりました。(6月10日厚生省発表)がんは、いまではだれもがかかる可能性の高い疾患と認識され、さらに、21世紀には治癒率の低い肺・食道・肝・膵・胆といった、いわゆる難治がんの割合が高くなると予想されています。
日頃から、家族で話し合っておいて、がんと診断されたらどうするかを考えておくことは当たり前となってきました。主治医にも自分の希望を伝えておきましょう。
近い将来に、患者の医療情報は患者本人に属するという基本的な考え方が浸透して、医療者がその説明をまず家族よりさきに患者本人に伝える日が来るでしょう。出来るだけ真実を話して、嘘を言わない方が治療への道も選択がしやすくなりそうです。つまり、患者自身が自分の医療情報を知り、自分の都合の良いように利用する……情報のコントロールを自分の責任で行う日が近づいています。面倒がらずに自分で考えて自分の責任で処理する方法を工夫していきましょう。私たちもこころより支援させていただきたいと考えています。
◇「力ルテの開示」について
患者さんから希望があった場合には、医療者はカルテの内容を開示する義務があることを法定化しようとする動きがあります。両者の間の信頼関係をより強くするためには、とても良いことであり、当院ではこれまでも請求があった場合にはいつでもコピ一をして手渡すことを表明してきました。
ご希望の方は申し出て下さい。(コピ一代実費は負担いただきます)
「自分こそ主治医」の実現を考えていきましよう。
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