ホスピス
 

セデーションの定義

 死亡前に緩和困難な苦痛から末期がん患者を解放するために、患者の意識レべルを意図的に最後まで持続的に低下させること。

概念

 ターミナルケアにおいて患者がその人らしく過ごすためには、苦痛の緩和は非常に重要である。しかし、テレビドラマのように、最後の瞬間に周囲の人々に感謝と別れの言葉を残し、突然,息を引き取るということは、現実にはほとんどみられない。それは、がん末期の最後の数日間においては、著明な全身衰弱と臓器不全のため、臨終の間際まで、意識清明なままで、しかも苦痛な症状が緩和されている状態を保つことは非常に困難になるからである。このような場合、苦痛緩和のための最後の手段として、セデーションが重要な位置を占めている。

セデーションの開始基準

 1.他のいかなる方法にても苦痛を緩和することができないこと。
 2.患者の予後が数日から数時間と判断される時。
 3.患者、家族の希望(特に患者の希望)を十分に尊重すること。
 4.セデーションの必要性をスタッフ全員で確認し、スタッフ内での一致が得られること。

セデーションの理由

 1.腫瘍の神経浸潤などによる激痛の持続  2.強度の全身倦怠感による苦痛  3.強度の呼吸困難感  4.肝不全、腎不全、衰弱による不潟・興奮状態  5.緩和不可能な激しい癖痛(消化管の穿孔、肝破裂など)

*ターミナルケア Vol.6 No4「セデーションを考える」より引用
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