(1)説明の時期、理解
家族:本人に大まかに理解してもらう必要性を、入院の時点て再確認しながら十分に理解
してもらう。
本人:@ある程度の時間が残された症例においては、外来診療にて人間関係をつくり、
その人にあった説明の仕方を考える。
(痛み、不安に対して、こんな方法もあるという程度の説明)
A人間関係成立後、病気の告知をして、セデーションについてのある程度の理解
を得る。
B病気の進行度によっては、人間関係成立まで待てないケースもある。
※病気を理解し、セデーションの意昧も理解しているが、受け入れられない、感情的に
理解出来ていない場合もあるので、十分に本人及び家族の納得の上で再度確認して行う。
(2)開始の時期・方法
・本人も家族も相互の納得の上で、覚醒したままでの症状コントロールの限界に対して、
最後の手段として行う。
・いきなり行うのではなく、事例のように薬剤を少量投与し、覚醒した時点で再度確認>
し、最終方法をとるようにした方が良い。
(本人および家族がセデーションを受け入れやすくなる。)
2.家族の関わりについて
(1)妻との関わり
妻は患者が少しでも長く生きられるよう積極的な努力をする人で、現実を聞かされる中で
入院初はギャップが大きく、病院に来てもすぐ帰ってしまっていた。
しかし、病棟スタッフの関わりの中で、少しずつ病気と現実を受け入れることが出来る
ようになり、セデーションなどの深い話もできるようになった。5月27日には、子供の
将来についての話し合いもでき、2回目のセデーションの希望時には、本人の意思に沿っ
ていきたいと考えられるようになった。
(2)子供との関わり
入院当初は、子供達は遠くから見ている状態だった。しかし、「がんて何。本で調ベる。
と言っていた」との報告のように、幼い子供にも現実をみせてやることが大切ではない
か。そして、自分の生き方、これからの父親との関わり方を方向付けることも大切では
ないか。
3.尊厳死について
セデーションは、あくまでも苦痛の除去の一手段であり、意識のない患者に行われるもので
はない。以前の京都の病院で事件が起こった時、マスコミでこのセデーションのことが取り
上げられていたら、世間に広く知られることができたのではないか。しかし、言葉の一人歩
きの危険性もある。この勉強会を多く開催し、知識を深めたいと思う。