ホスピス
 

『第6回ホスピス症例検討会』より

症  例:46才 男性

病  名:大腸がん、転移あり(特に肺転移による呼吸困難の症状が強い)

家族構成:実母と妻、小5、小2の2人娘、の5人暮らし

【病歴要約】

    H6.4−他院にて大腸がんと診断され手術を受ける。
    H7  −「腹腔内ヘの転移があり余命3〜6ヶ月」の説明を受ける。
H7.10〜H8.3−自ら民間療法による治療を選択され、高知の病院に入院
    H8.4−嘔気、嘔吐、疼痛が増強、全身衰弱はげしく
  H8.5.10−本人、家族の希望で、姫路M病院入院。入院時肺転移が見つかる。
       入院当初、妻は悲嘆が大きく、受け入れにくい状況であった
  H8.5.30−「病状コントロールが難しくなり、現状態では家族の対話の時間が少なくなって
        きたこと」の説明を受けてからは、患者と共に過ごす時間をつくり、積極的に
        関わり、受け入れができてきた。スタッフの関わりで子供達の死の準備教育も
        行われていった。
   H8.6.2−いかなる方法でも覚醒したままでの症状コントロールが困難となったため、
       本人にもセデーション(後述の「セデーション(鎮静)Sedation」参照)を
       説明、本人自ら希望する。
       一度目のセデーションは、薬剤を少量投与し、すぐ日覚められるようにした。
      「Drは約束を破った。死なせてくれると言ったのに。...
       くれると約束したんや...」と患者の本心を確認する。
       二度目のセデーションは、本格的に行い、完全に眠った状懸になった。
  H8.6.5−セデーション開始後、眠った状態のまま永眠された。

【検討事項】

 1.セデーションについて
     手術後病名告知→ホスピス病棟入院→妻・子供ヘの関わり→覚醒したままでの症状
     コントロ―ル困難→本人にセデーション説明→自ら希望→二度目のセデーション
     永眠
     ※症例の中でのセデーションの時期、方法は適切であったと思う
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