ホスピス
 

● 黄色の薔薇に囲まれて Vol.2 ●


―愛する人と別れるとき―


2月12日

 放射線治療、今日で3回目。今日からMSコンチンを1回1錠から2錠になる。
俺にとって人生の完成とはどういうことだ?仕事のこと、家族のこと、又、自分自身のこと。あるがままに受け入れる。
もはや動かしがたい事態に対して潔く従わんことを!
明日すること
 1)公証人役場に行くこと
 2)放射線治療
 3)笑うこと

2月13日

 痛みが楽になっているような気がする。公証人役場へ行き遺言状をもらってくる。これでこの10日間程のストレスが少しは解消した。嫁さんに迷惑をずっとかけている。建設的な準備はこれで済んだ。あとは葬式をどうするかだ。いろいろ考えたが別れをきちっとすることは大切だと思う。(みんなの悲しむ顔はみたくないと、当初、お葬式はしないと言っていたが家族の強い反対にあう。世間体という理由で……。)
ただ、墓についてはみんなにも言ってあるが、女房に何処か景色の良い暖かいところを捜してもらいそこで過ごしたいと思う。
明日すること
 1)放射線治療
 2)笑うこと
 3)親・弟達に建設的準備についてもう―度話しておく。

2月15日

 午後7時頃より軟便だが何回も行く。イライラして落ち着かない。
こんな時は生きているのが辛い。もう、苦しめるのはこれくらいにしてほしいと思う。俺自身のためにも、俺を気遣ってくれる女房のためにも。
せめてしばらくでも症状のない日がほしい。頑張れ!!!

2月17日

 放射線あてるがしんどさが強い。食欲も無い。膀胱・直腸障害がもう少し良くなってくれれば……。浜松のホスピスに電話する。
1日1日を何かに刻んでいる感じがする。神は自分の心の中にある。

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