ホスピス
 

● 在宅ホスビスケアの課題 ●


◆痛みのコント口−ル

 クリニックでは、在宅療養の質がどのようなものであったのかを知るために、患者が亡くなられた後に、主たる介護者であった遺族の方にアンケートでの回答をお願いしてデータをまとめてきた。
図3には、患者の痛みのコントロールについて家族がどのように感じていたかをまとめた。 痛みのコントロール

必要に応じてモルヒネ剤を使用した結果である。
「本当に苦しんだ2名」のうち、l名は1990年の胃がん症例であって、まだMSコンチン錠を利用できなかったころである。

また、あとのl例は、26歳の女性で、大腿骨肉腫の全身への骨転移のため疼痛コントロールに難渋した症例である。

痛みのコントロール

◆療養期間はどうか

 図4は、半年ばかり前のデータであるが、がんとがん以外を比較した療養期間の違いである。 がん以外の場合は在宅療養を開始し、必要に応じて施設に収容された場合も含めた乎均療養期間がおよそ「2年8カ月」であるが、これに対してがんの場合には、現況では進行がんの終末期に在宅療養を紹介されるという事情もあって、何と平均「57日」という短期である。

 しかしながら、この療養期間が短いという条件は、「介護」という視点から見れば、家族が疲弊することなく熱意を持ってケアに当たることができるという意味では大切な要素であり、「がんの療養には在宅が優れている」という主張の重要な点を構成することとなる。

◆日常生活レベルはどうだったか

経口摂取
 

 がん患者の在宅での生活レベルについて、経口摂取、歩行、排泄、入浴、家族とのコミニュケーションの5つの行動についてデータを取っているが、今回は「経口摂取」と「排泄」について報告する。

 図5に示すように、経口摂取のうち水分は50%の方が亡くなる1.5日前まで摂取できていたし、 水分以外でも死亡2〜5日前まで半数の方が摂取できていた。

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