ケニヤ・タンザニヤ紀行


●2002 7・28 晴れ

 早朝からセレンゲッティに出発。いわゆる肋骨道路で細かい揺れが間断なく続き、前車の廃塵が続く。強盗のように鼻・口を覆ってひたすら走る。途中Oldby遺跡に立ち寄る。リーキー博士が約150万年前の人骨を見つけた場所であり、今も掘り続けている。昔、妻らと訪れたときと殆ど変わりはない。30年間変わっていない。ここから人間として立って歩いた原始人が長い年月をかけ、人体はもとより生活も改善を繰り返して、全世界に広がっていったのである。改めて感動する。それにしてもリーキー博士はベルリンの博物館で蝶々の研究者が持ち帰った断片的な骨から、人間の祖先の存在を推測してここに来たのである。以来死亡するまで懸命の発掘が始まった。偉人とは凡人には見えない真実を捉え、猛烈な情熱で検証することに人生をかける。とても及ばないが小生とて日本の医療にいささかの前向き提案をすることくらいはやり遂げなければと思う。

Oldbyを離れるまえにOldebyは実はOldpyという地元にたくさん生えている蕗のような植物のことであり、ドイツ人が間違って発音したのだということを知った。そういえばブッシュの中には多くのOldpyが見られた。
さらに砂煙を上げ、砂埃を頭からかぶって、一路セレンゲッティに向かう。高度が下がって気温が上がり、暑くなる。Nabi Gateを越えると遠くにキリンが見え、いよいよ動物天国だと身構えた。早速ライオンの群れに出会う。キリン、ワイルドビーストはマサイマラに移動したはずだが少しは残っている。ライオンの家族はイボイノシシを食べて寝そべっていたり、ヒポと象が一緒にいたり、穴から顔を出すハイエナ、オストリッチ達、ゼブラ、ジラーフ(マサイ)など動物の数は多い。

昼食は例のTuskerとランチボックスをセレンゲッティのど真ん中で広げる。これこそが最高の贅沢である。360度地平線の中、ジラーフと一緒においしい空気とビールと食事を楽しむ。さらに走り回って豹やチータを探すがなかなかいない。象さんは大きな群れが少なく小家族のみ見かける。たくさんの大きな岩で出来たワイルドライフロッジに着いたときはまだ日が高く、荷物を収めてすぐに夕方のサファリに出かけるとのこと。

小生はゆっくりとシャワーを、といっても17:30まで湯が出ないので水シャワーだが、かぶって、1人お留守番をする。ラウンジに上がって、ビール片手にセレンゲッティを眺める。ゼブラ、ジラーフが身近にいる。何かチョコチョコするものがいるなと思ったらものすごい数のトカゲ、それもねずみ色のやつと上半身赤、下半身緑といった寺島先生を髣髴させるやつもいる。そこにハイラックスとマングースが入り混じってにぎやかなロッジである。スウェーデン人のグループが一緒のようだ。ひょっとすると夕立があるかもしれない。といっているとほら来た。急に真っ暗になって土砂降りとなり、さっとあがった。その後の虹のきれいなこと、カメラに収める。湯が出るのと電気が通じるのは制限があるために上手に使う心がけがいる。

夕食はバーベキューのほかにはゴロンゴロと同じ様な内容でいささかうんざりする。明日、みんなは早朝に出発してセレンゲッティを経由してLake Manyaraで食事をして、ロングランでナイロビまで帰ることになる。小生と橋本君はパンバ先生に会うために、セスナ機で空路戻ることになる。

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