ベルリン医師会 Berlin Arztekammern
Jonitz医師会長
ベルリン医師会長 Dr. med. Gunther Jonitz 外科医
最近のHealth Care Systemは医師個人の実力が評価されるのではなくて医療のアウトカム=結果によって評価されるようになっている。
医療提供側(Healthcare provider)の真摯でまじめな指導性が求められ、そのツールとし て日本のトヨタなどの企業が発進して米国などで医療に導入されたTotal
Quality Management(TQM)とそれを参考としたドイツで採用しているKTQ(Kooperation Transparenz
und Qualitat im Krankenhaus)などがある。
Critical Incident Reporting System(CIRS)も有効である。
それでもドイツでは医師が今でも厳然と権威を持ち、干渉されることを嫌う雰囲気は続いており、ドイツ独特のKTQホームページは(www.ktq.de)による「病院機能評価」は2300ほどの病院のうち10病院しか認定を受けておらず、医師の抵抗が強いとのことである。ベルリンでは心臓センターのみ認可を得ているがそのために評価委員が調査しているときには1/3の非協力医を休ませていたという冗談のような話がある。翌日訪れたKTQの認定を受けている心臓センターでもCIRSは病院全体では行われておらず各病棟、職域別の管理である。会長はいまだ43歳で、専任で外科医を辞めて(3年次の上級研修医で辞職)おり、将来は政治家を目指すと断言していた。
Ms. Jaklin
職業法律部長 Ms. Martina Jaklin 弁護士
「Patient Protection and Quality Assurance via the Medical Associations」
医師会による患者の擁護と品質保証
患者=国民には種々の医療サービスが関与しているが、それぞれは医師会は医師会法、開業医、保健基金は社会法、病院は病院法、公衆衛生は感染防止法、公衆衛生法、栄養・フィットネス・伝統的医療(温泉療法など)は自由(必要ならば消費者保護が適応)によって管理されている。
医療関係団体の自己管理システム
16州とベルリンを合わせて17の州医師会は州法によって規定されている。各医師会会長は連邦医師会の「Board of Management
」を構成し、Boardが各州医師会に提言する。 医師は医師会に"強制加入制"であり、州医師会は公共的機関として存在する。
医師会の任務は以下の通りである。
Advanced Training:生涯研修の管理、専門医試験の実践、生涯研修能力の評価
Further Trainig:医学研修の組織化と推進、認定
Quality Management 品質管理:医療における品質管理とその維持の必要性の理解、総合的な情報提供、アドバイス
Ethics:倫理的、法的なアドバイスサービス、医師職業規則
Professional Code of Conduct医師職業規則:編集と改正、紛争調停
Advice Service:医療関係者、余剰医師へのアドバイス
Medical Occupations医療従事者:医療秘書の研修
Pension Scheme 年金体制
医師会の医師職業規則の推進
司法手続き:
ベルリン医師会法 16条1項
訓戒
譴責
罰金:最高50,000EU
選挙権・被選挙権の剥奪
開業取り消し
譴責手続き: ベルリン医師会法29条a項
5,000EUの罰金
Trade手続き:
刑事訴追: これらの法律に基づき、刑事訴訟、民事訴訟に至る前か至っても医師職業裁判所(医師2、司法者3)での訴追を行い、懲罰を科す。
彼女の取り組みは、とにかく「医師会と医師に対する評価を維持するためには"少数の悪徳医師"は医療裁判においてきっちりと責任を取らせるという信念で張り切って仕事をしている状況がまざまざと伝わってきた。実際の裁判では「検察官的役割」を果たしている。ただ裁判所で処理されたケースが過去一年で7件のみという少なさに"審判に付する姿勢の慎重さ−おずおずという姿勢―"がうかがわれた。一昨年の北ライン州医師会の鑑定委員会を率いていた"リタイア裁判官"の言動よりも内容は過激だが、いずれも実態は"医師に遠慮し、審判は限定"している意図が見られた。
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