● 公的介護保険 ●
短期入所の弾力的運用、答申される
上記説明の後、各委員から以下のような意見が出され審議の後答申が出された。
- 「市町村が充分であるとどのように判断するのか。また、このショートステイの取扱いが、介護報酬を決めるための実態調査などにどう影響していくのか」
→『利用希望率や供給量を把握している市町村の判断である。また、報酬レベルでの設定に影響は出ないものと考える』
- 「利用者からの声を反映し、弾力的な対応は評価するが、償還払いを解消して欲しい。また、転換率20%は低い、地域差を考慮してもう少しあげて欲しい」
- 「使い残し分という表現はどうかと思う。使い切りを奨励いているみたいでは…」
- 「今回の弾力的な運用は現場の声でもあり評価できるが、一方で緊急避難的なものがいつまでも続くのは如何なものか」
- 「本当に保険財政に影響を与えないか、根拠を示すべきではないか。希望率との間に差が生じてくるのではないか。また、償還払いはいつ、どこでやるのか、現物給付できるのはいつか」
→『支給限度額の範囲であるので、影響が出ないものと考えられる。ベッド数の範囲なので給付が限定される。償還払いは利用実績が分かる6月で使い残しの払い出しができる。市町村の窓口でしてもらう』
- 「当初からの議論がやっと弾力化されてきた。もっと制限なしに自由に選択できるようにして欲しい」
- 「本題からはずれるが、2/24の夕刊に介護分野に外国人労働者を解禁とあったが、ホームヘルプサービスはだれでもできるという風に考えているのではないか。また、パートであっても雇用保険等の保障をしっかり指導して欲しい。介護支援専門員の質の問題を考えて欲しい。多くの要員確保のために受験資格のすそ野を広げすぎたのではないか。介護現場を知らない人がケアプランを作っている」
など、ショートステイ利用の弾力化には、反対意見が無く当日の諮問に対し、即答申が出された次第である。
利用者にとっては、ショートステイの利用枠が広がり喜ばしいことであるが、委員からの指摘のもあるように償還払いとして1日約1万円ほどを立て替えるのでは、現実のところ金銭的に利用制限がかかるのではないかと危惧される。
特養側から見ると、近年整備され条件付きとしてショートステイ床を大きくするよう指導された施設にとっては、転換率20%という制限はあるが少し道が開かれたこととして歓迎される処置である。
まさに走りながら考えるということであるが、当初から要望等が多く検討されていたことであり、もう少し早く今回のような答えが出ていればと思う次第である。
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