介護保険
 

● 医療保険福祉審議会 ●


提供:(株)マチュールライフ研究所
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 9月14日、厚生省において医療保険福祉審議会の「老人保健福祉部会」及び「介護給付費部会」が開催された。 老人保健福祉部会では、「市町村の介護保険財政について」において事務局より下記のような大枠に関して、財源構成や調整交付金の算定方法等をイメージ図や例を示しながら説明がなされた。

○ 各市町村において見込まれる給付費の概ね1/2を公費で、約1/3を第2号被保険者の保険料で、残りを第1号被保険者で賄う仕組み。
○ 第1号被保険者の保険料は、給付水準と所得段階に応じて設定
○ 高齢者の所得水準等による第1号保険料率の市町村格差については調整交付金で調整
○ 見込みを上回る給付費増や収納率低下に起因する財政不足を補うため、各都道府県に財政安定化基金を設置し、資金を貸付・交付する。
○ 給付水準等による第1号保険料率の市町村格差については、介護保険財政の広域化による対応が考えられる。
これらの説明がなされた後、委員から様々な意見が出され、特に市長会代表や町村長会代表の発言が多く見られた。その主なものを挙げてみる。

A委員:財源構成で上乗せ給付や市町村特別給付は除く前提であるが、標準的な給付水準で十分な介護が受けられると考えているのか。市町村としては、これらの特別給付などを除くと満足な介護は出来ないと考えている。
上乗せや特別給付を除くということであれば、この財源はどこから出てくるのか。現実には、市町村の負担は全体の12.5%といわれているにもかかわらず、それに上乗せ部分が負担となってくることがこれで明らかになっているといわざるを得ない。
また、低所得者に対して、高額介護サービスや低所得者の減免の原資も保険料に繰り戻されるということは、保険料の額がますます上がるということで、これではとても保険会計が成り立たないと考えますがいかがですか。
さらに保険料の考え方ですが、3年単位の財政運営をすることになっているが、保険料総額の確保を優先したと考え方と捉えていますが、ドイツのように国保の所得に対する一定割合でないので家計の配慮に対するものが欠けておるのではないかと思う。
多くは零細である高齢者家計について、財政コストを優先した場合に保険料計算の方式を適用することが本当に適当なのかどうか。
実務ベースでは保険料算定上、予定収納率で割り戻すことを指導されておるようですが、国保で既に問題が生じています。不服審査が提唱されておりまして、現在係争中でありますが、国保と同じようなケースが出てくることになるのではなかろうか。
また、所得段階について、非課税部分を3段階で区分することが適当なのかどうか疑問に思っている。この表の第1段階から第3段階までが本人課税不申告を含めて全体の74%、第4段階から5段階に該当するのが全体の26%です。第2段階と第3段階の本人だけでなく世帯として課税区分をすれば、高齢者の世帯分離が進み、現在の国保と同じ現象が出てくる。こういうことに市町村は実態として完全に対処できないということが私どもの言い分であります。世帯の概念をいつまで残されておる。世帯をきっちりと定義されていないにも係わらず、いかようにも取りようがある。なおここでそういう考えをお持ちだということに問題があるのではないか。
調整交付金については、以前から申し上げていますように国は全体の1/4を負担する。説明では、20%が公費の負担で、5%が調整交付金で全体の25%とおっしゃてますが、調整交付金がもらえない市町村は、いくつか出てくるわけでありまして、全体の1/4を負担するというお約束はどこへ行ったのですか。このことを不満に思っています。

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