● アシステッドリビングホームとは ●
アメリカの長期ケア制度に比較的新しい形として位置づけられており、色々なアシストを行っているケアモデルの考え方と定義が部分的に重複していますが、ナーシングホームのような医療的中心型に対しアシステッドリビングホームは家庭的環境化におけるパーソナルケア(個人的な配慮)を中心に組立られたもので施設ではなく大きな家(大邸宅)ではないでしょうか。
24時間の医療ケアは必要としないが、何らかの理由により自らの面倒を見れなくなったり、誰かの助けを必要になったりした時に、住居・介護・食事のサービスを提供し、健康、快適性、安全を維持させる為に十分なケアを行いながら自立心の維持を全面的に支援し、活動プログラム等や入浴、着脱衣、排泄、医薬管理に渡るまでの日常生活全般におけるアシストを行っているホームをアシステッドリビングホームと呼んでいます。
アシステッドリビングホームという名前が米国国民において認知されてきたのはここ数年の事のようです。しかし、アシステッドリビングホームの原型となるホームは古くからあり、ALFAA(米国アシステッドリビング協会)の調査によると、推定ではありますが大小含めると全米で3万から4万のホームが存在し100万人近い人がアシステッドリビングホームを利用しています。
大小という表現については、個人・非営利団体・公的機関・民間企業と様々な形式で経営されており、10人以下のホームから100人を越えるホームがあるためです。しかしながら、今のアシステッドリビングホームが認知されるまであたっては、素晴らしい信条をもった幾人かの人々によって自らの自宅を開放し、ケアを必要とする高齢者と共に生活をはじめたことからにはじまり、その結果、より効果的なホームの運営を追求したものがアシステッドリビングホームというひとつの名前を生み出しています。
ヨーロッパにあるグループホームを変形させながら、信条と経営との両面を確立させたものがアシステッドリビングホームであり、アメリカという国の素晴らしさでもある、世界中の人々の文化が混じりあってこそできたものでないでしょうか。次回の『りふぁねと』では今のアシステッドリビングホームの生みの親といわれる方々の紹介もさせて頂く予定です。
アシステッドリビングホームが成長し続けいる背景については次回に説明させて頂くつもりですが、多くのアシステッドリビングホームに共通する特徴について本文で説明させて頂きます。過去、米国における長期ケアを支える仕組みとして代表的なものは、メディケイドやメディケア(すなわち公費)に支えられているナーシングホームと高額な費用を必要とするリタイアメントホームしか選択肢がありませんでした。(制度は違いますが日本に似ていますね)
しかしながら、多くのアシステッドリビングホームは巨額な入居金を必要とせず、住居及びサービスを賃貸形式のみで提供してきたことにあり、日払い、若しくは月割りで組立られており、これは入居を希望する方々にとっておおきな選択肢を提供した事になります。
これから3回のシリーズでこのアシステッドリビングホームについて語ることになりますが、一番大切な点は多くのアシステッドリビングホームがホーム側の都合や経営者・スタッフの都合からできているものでなく入居者する方やその家族の方々の側にたって考えられており、徹底したご利用者本位に組立られたものであることを必ず理解して下さい。
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