● がんで死ぬのも悪くない ●
今年の四月に、厚生省のがん検診がどの程度有効かを評価する研究班からの報告がでました。現在行なわれている検診のなかで、子宮体がん・乳がん・肺がんの現在の検診は有効でないが、子宮頸がん・大腸がん・胃腸がんでは有効性の証明があるとしています。このように検診は役に立つ部分もあります。乳がん検診にも視触診でなく、マンモグラフイーの利用がすすめられています。
今まで 早期発見、早期治療が言われてきましたが、検診が役に立たないとなかなかむつかしいことになります。 早期に診断して努カしても、再発する場合もあります。再発の時にはどうするのか、早期診断と専門医療機関を結びつけて言われるれることが多い。現状をみると、診断や手術では専門的な医療機閲であっても、そこが必ずしも再発の療養、治療にすぐれた専門医療機関とは限りません。その場合にはどうするかを考えねばなりません。
現在、私が在宅で診ている28件中、がん患者は5人、去年がんで亡くなった人は23名、今年は現在まで17名くらいです。どんな部位のがんが在宅に向くということはありません。以前は肺がんで呼吸困難で、在宅は難しいかと感じたが、今はそんなことはありません。ホスピスに2度、3度と往復する人も増えています。最初、在宅療養の希望の人が入院する原因としては、介護力の不足・腸閉塞・呼吸障害・意識障害・宗教的な理由などがあります。痛みは在宅でもコントロ―ルできます。モルヒネを使うと、半数近くはまったく痛みが無い、ほぼ治まった人も加えると、8割になります。90年からモルヒネが在宅でも自由に使えるようなった頃から、在宅での療養生活が出来るようになりました。
患者の在宅の生活状況は、半数くらいの人が経口摂取は水分を前日まで、食べるものは4日くらい前まで可能です。歩行は4日前くらいまで出来ます。歩行が出来る間は、排泄も自分で可能です。入浴は10日くらい前まで。亡くなる当日でも、半分くらいの人はコミュニケーションが取れます。 |
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