●8月11日  火曜日

 早朝にロンドン、ガトウィック空港に着く。例のアルバイト君はまだ来ていない。仕方なくSPEED LINKの切符を確保しに行く。寝起きですっきりせずあたふたとするもなんとか切符を手にする。そのころにアルバイト君が登場する。もうすぐ日本に戻らなきゃならないのだとか、ご苦労さん。バスはこの前と一緒で、コーヒーサービスはいい。ヒースローでの4時間ほどはガトウイックと異なりいろいろと楽しめた。マクドナルドの隣のサンドイッチの店で、カプチーノコーヒーとおいしいサンドイッチを一人こっそり食べる。いやーおいしいよこれは。腹ごしらえの後、眞孝ちゃんや亜希子に頼まれている時計、専務の万年筆などなど土産を購入する。

あとは最後の飛行機に乗るだけだ。11時間後には大阪に戻っているのだ。ここに来て皆さんも疲れが出たのか活動性が落ちている。機内でもなんとなく元気がない。映画がタイタニック、スーパーマンと続いたためついつい見てしまう。なかなかいい映画だ。少し休んだところで関西空港に着く。13日間のケニヤ行は今日終わる。世代の大きく異なる人達が一緒に過ごした日々はそれぞれに意味があったのではないかと勝手な推測をする。小生の不手際はなにとぞブーゲンビリアの真紅と子供達の明るさに免じてお許し頂きたい。こういう機会はそう多くはない。小生にもいい勉強になった。

ケニヤは小生にとっては死ぬまで付き合う国だし、早速準備しなければならないことも多い。多くの人の協力を得て、この国のごく一部でも支援していきたく思う。そのことがどれだけの意味があるのかなんて考えることはない。人の行為には即時的評価なんて必要でないこともあるのだということを日本の人は学ぶべきなのだろう。それにしても日本には真の宗教性なんてないんだから困ったことだ。今年のケニヤ行は無事終わった。早速次の計画を練ろう、とりあえずはジョージを招待して日本を見てもらい、今後一緒に何が出来るのかを話し合おう。より大きな輪を作って刹那的でない協力関係を作り上げたく思う。今年がわが人生にとっても大きな転機になるとともに、次代に繋がる仕事を始めることが出来れば望外の幸せである。ジャカランダ、ブーゲンビリアの咲き乱れる貧しくも美しい国、ケニヤと人々に敬意を表する。

  この紀行文を故曲直部 寿夫先生のご霊前に捧げる。

平成10年9月16日

医療法人 医真会   理事長  森  功

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