ケニヤ紀行 2004/7/25‐8/4

 
医療法人医真会 理事長
国際医療協力機構 理事長
森   功

 

ケニヤは1万キロ彼方、赤道直下の国
土埃、草いきれとヒトや全ての動物が放つ生物エネルギーの貯蔵所
大地と空が限りない距離感を保ち
ヒトは貧しくとも果てしないタオを一番前で歩き続けている
文明は彼らによって導かれていることを豊かな人たちは未だ認めようとしない
大地と呼ぶべきこの地に足を踏みおろせる喜びは体中に沸き立つ
ここがあまねくヒトのルーツであるからこそ帰巣本能が呼び起こされる
皮膚の色、言葉、習慣・・・その違いなどペラリとめくられ、
今年もまた新しいページが始まる


 

7月25日 日曜日 快晴

 エミレーツ航空(EK)が関空からドバイまで直行便を出すようになり、フライト時間は14時間、待ち合わせが4時間なるも随分と近くなる。実際体験してみて全く疲労度が異なるのでうれしい。辻井正先生、松本元嗣先生他7人のクルーで出発する。高校生の宮本将太君には良い経験にして欲しいもの。感受性に期待しよう。養老さんの本では東大生のものの見方が如何に一面的で狭量かという記述があったが、感受性と基本的能力はヒト皆等しく持っているわけで、紀行文を記すように指導する。
機内食は夕食を家族みんなで食べたので果物だけにし、例によってブランデーを頂く。 さすがに朝食も日本食を用意しているが、ふぐの一夜干しなどがついているのは驚かされる。日本人アテンダントも親切で、辻井先生は随分と歓待されておられ御満足の様子。
ドバイはいつも早朝なのでBCラウンジでのんびりと歓談して過ごす。
宮田君に届けるポータブルDVDで洋画を見る。液晶なのでなかなかきれいで、サウンドもよく自分でも欲しくなる。気に入ってくれること疑いなし。そんなこんなで4時間ほどは眠る。


 

7月26日 月曜日 快晴

 昨年はSARSとテロの影響で来ることが出来なかったが、その間に「IMCUクリニック」が正式にケニヤ政府から認可され、稼動し始めた。なによりも宮田久也君とKenneth Otieno君の協力と努力によるところが大きい。
二年ぶりのケニヤは入道雲とさわやかな太陽が出迎えてくれた。今年はカスタムで10000シリングほどの関税を取られる。サッカーボールが新しい為払わされる。どうもこの風習は直らないようだ。Steven、Kenneth、宮田君、梶田和子さん、運転手のニコラス君(以前から運転してくれている)の出迎えを受ける。外に出ると土とヒトの独特の入り交ざった香りがある。空港の駐車場は月曜の昼下がりですいている。いつものように茶褐色の大地にまだらに潅木があり、マサイが牛や羊を追っている。Uhuruハイウェーの周辺はきれいになっていて、キバキ大統領になって以降国のありようはかなり改善しているようである。皆さんはナイロビ見物と辻井先生はクリニック訪問に出かけられる。
小生はとりあえず部屋に落ち着いたが、そこにはバラ、チューリップ、カーネーションの素敵なフラワーアレンジメントとりんご、バナナのセットが準備されており気分良し。荷物の大半を占める宮田君らへのみやげ物等の整理にかかる。セキュリティーボックスを借りて一段落。この手順がまたサインや確認で早速時間がポレポレと過ぎる。今年は携帯電話を手配してくれているので連絡がスムースである。この国にもIT化の波は確実に届いている。以前このホテルに入っていた民芸品店のインド人の主人が早速やってきて、ぜひとも新しい店に来てくれという。なんとも耳ざとい人種である。
なにはなくともまずTusker Beerということで下に下りると、丁度辻井先生や梶田さんが戻ってこられ、ラウンジで一緒に頂く。こののど越しの柔らかい味わいは捨てがたい。ドアマンは以前からの人物であるが、フロントの人たちは変わっている。 夕食は19時からで例のごとくビュッフェスタイルである。スープの味が単純なのは変わらず、パンプキンスープというがうそでしょうという感じ。将太君は食が少なく、辛いのに弱いのか悲鳴を上げている。高校生がどういう反応を示すか楽しみでもある。

 
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