第8章　患者オンブズマン

8-1節　目的

　患者オンブズマンは医療に関して患者のニーズを満たし、患者の利益と法的権利を護るため、および医療の質の改善のために働くものとする。

8-2節　オンブズマン制度の機能と責任

　中央政府は各郡に患者オンブズマンの存在を確保するものとする。患者オンブズマンの機能は公共専門医医療を含むものとする。

　患者オンブズマンは独立自律的に機能を果たすものとする。

2001年6月15日の法律第93号（2001年12月14日の政令第1417号に従い2002年1月1日施行）により修正。

8-3節　患者オンブズマンと連絡を取る権利

　患者オンブズマンは、口頭または書面による要求に基づき、或いは自発的に、公共専門医医療に関する事例を検討のために取り上げることが出来る。

　誰でも患者オンブズマンと連絡を取り、事例を取り上げて検討するよう要求できる。患者オンブズマンと連絡を取る者は匿名にする権利がある。

8-4節　要求の検討

　患者オンブズマンは、要求に事例を取り上げて検討するのに十分な根拠があるかどうかを自分自身で決定するものとする。もし患者オンブズマンが事例を検討のために取り上げないならば、要求を提出した者に通知して決定の理由を簡潔に示すものとする。

8-5節　患者オンブズマンが情報を得る権利

　行政に関する事業を実施する公共機関および事業体は、患者オンブズマンにオンブズマンの義務を果たすために要求される情報を与えるものとする。民事訴訟法204節から209節の規定は、患者オンブズマンの情報を要求する権利に同様に適用する。

8-6節　患者オンブズマンの医療施設構内立ち入り

　患者オンブズマンは公共専門医医療が提供されている全ての施設の構内へ自由に立ち入ることが出来るものとする。

8-7節　患者オンブズマンの責任

　患者オンブズマンは、情報、助言、指導を求める者には誰にでも、オンブズマンの責任範囲の事柄について、妥当な範囲でそれを与えるものとする。

　患者オンブズマンは、オンブズマンの責任範囲の事柄に関して自分の意見を述べ、改善のための特別の処置を提案する権利がある。患者オンブズマンは誰に宛てて述べるべきか、自分で決定する。オンブズマンが述べたことは拘束力を持たない。

　患者オンブズマンは、オンブズマンに連絡を取った者には誰にでも、事例の検討結果を通知し、結果についての簡明な説明を与えるものとする。

　患者オンブズマンは、当局による追跡調査を要求する状況を監督庁に通告するものとする。

　患者オンブズマンはオンブズマン制度の周知徹底を図るものとする。

8-8節　規則

　保健・ケアサービス省は患者オンブズマン関連規定の実施および補足に関する規則を公布できる。

第9章　開始と他の法律の修正

9-1節　効力の発生

　この法律は国王が決定するときから効力を発生するものとする。国王は、この法律の各種の規定が時を違えて効力を発生することを決定出来る。

　2000年12月1日の政令第1198号に従い2001年1月1日から施行。ただし、2001年6月8日の政令第595号に従い2001年7月1日から発効する2節から5節を除く。

9-2節　他の法律の修正

　この法律の発効の時から、他の法律に対して次の修正がなされるものとする・・・・