● ノルウェー患者権利法 ●



第2章 医療及び搬送を受ける権利

2003年11月28日の法律第96号(2004年1月1日施行)により表題修正。

2-1節 必要な医療を受ける権利

 患者は救急医療を受ける権利がある。患者は必要な医療を地方自治体の医療機関から受ける権利がある。

 患者は専門医医療から必要な医療を受ける権利がある。この権利は、患者がその医療により利益を得ることが期待され、経費がその処置の効果にたいして相応な場合に限り適用される。専門医医療は期限を設けるものとし、その期限内に、医学的な理由により正当と認められる場合、そのような権利を持つ者が必要な医療を受けるものとする。

 公共医療機関は医療を求め、必要とする者には、どの者にも、その者の権利を護るために必要な医療及び治療に関連した情報を与えるものとする。

 もし、専門医医療機関で必要な医療を受ける権利のある患者に、第2段(パラグラフ)に従って定められた期限内にそのような医療を受けることを、地域医療事業が保証していないならば、その患者は、必要であれば民営の医療機関または王国外の医療機関から、直ちに必要な医療を受ける権利がある。

 王国内に適当な医療機関がないために、もし地域医療事業が必要な医療を受ける権利のある患者に医療を提供できないならば、患者は第2段に従って定められた期限内に、ノルウェー国外の医療機関で必要な医療を受ける権利がある。

 国王は、何が患者に受ける権利がある医療と見なされるかに関して規則を公布できる。

 保健・ケアサービス省は、第2段に述べた期限の決定及び期限に関する情報に関連する規則、及び患者が第4段に従い民間医療機関または王国外の医療機関で受ける権利のある医療の組織及び医療に対する支払いに関する規則をこれ以外に公布できる。

 2001年6月15日の法律第93号(2001年12月14日の政令第1417号に従い2002年1月1日施行)、2003年12月12日の法律第110号(2004年3月19日の政令第540号に従い2004年9月1日施行)により修正。

2-2節 査定を得る権利
 
 2-4節の範囲に該当する病院または専門医外来診療所へ委託(紹介)された患者は、委託(紹介)状の受け取りから30就業日(平日)以内に自己の健康状態を査定してもらう権利がある。査定は医療が必要かどうかについてなされるものとし、治療がいつ与えられる予定かに関する情報が提供されるものとする。

 患者に2-1節第2段に述べた種類の専門医医療に関する権利があるかどうかについて査定し、もし適切であれば同じ段の第2文に述べた期限を設定するものとする。このような権利のある患者にこのこと及び期限を通告するものとする。この通告にあたり、患者が苦情を申し立てる権利、苦情申し立ての期限、苦情手続きに関する詳細を患者に知らせるものとする。委託(紹介)した医師にも通告するものとする。

 査定は委託(紹介)状に基づいて行われるものとする。必要があれば、追加情報を入手するか、患者を検査に呼び入れるものとする。

 重病または生死にかかわる病気の疑いが少しでもあれば、患者はもっと急速な査定を受ける権利がある。

2003年12月12日の法律第110号(2004年3月19日の政令第540号に従い2004年9月1日施行)により修正。

2-3節 再査定を得る権利

 一般開業医からの委託(紹介)状に即し、患者は健康状態を専門医医療機関により再査定してもらう権利がある。この権利は同じ条件では1回に限り適用される。

2-4節 病院を選択する権利

 患者には、治療が行われる病院、地区精神療養所、またはその中の治療部門を選ぶ権利がある。病院または地区精神療養所が地域医療事業の所有であるか、患者にこのような選択権を与えることを地域医療事業と協定しているというのが条件である。

 患者は治療のレベルを選ぶことが出来ない。

 保健・ケアサービス省は、第1段に述べた協定に関しこれ以外に規則を公布できる。

2003年12月12日の法律第110号(2004年3月19日の政令第540号に従い2004年9月1日施行)により修正。

2-5節 個人プランを得る権利
 
 長期協同医療が必要な患者は誰でも、地方公共団体医療法、専門医療法、精神保健医療の対策及び実施に関する法律の規定に従い、個人プランを作成してもらう権利がある。

2001年6月8日の政令第595号に従い、2001年7月1日施行。

2-6節 搬送を受ける権利

 患者と同伴者は、専門医医療等に関する1999年7月2日の法律第61号の範囲内の医療と関連して移動が要求される場合に、必要経費を補填してもらう権利があり、それは医療事業体等に関する2001年6月15日の法律第93号に従い、事業体により補填される。同じことが1997年2月28日第19号の国民保険法第5章の範囲内の医療に適用される。これには家族福祉事務所および公共保健診療所への移動が含まれる。

 交通費の補助金は医療が提供される最も近い場所への交通費の補填に限る。

 交通補助金の計算は、定期運行の交通機関の一番安い移動方法の費用に基づくものとする。ただし、患者の健康状態によりもっと高価な移動方法を使う必要がある場合を除き、また定期運行の交通機関がない場合を除く。

 この節に従って必要経費を補填してもらう権利は、経費が他の立法によって補填される限度までは適用を停止する。

 保健・ケアサービス省は患者の交通費、食事・宿泊料および必要同伴者が被った諸経費の補填に関する規則を公布できる。これには、病院の自由選択から生じる費用の補填および還付金支払いに関する規則が含まれる。

2003年11月23日の法律第96号(2004年1月1日から施行)により追加。

2-7節 行政法の適用

 行政法の規定は、この章に従ってなされた行政上の決定には適用されないものとする。

2003年12月12日の法律第110号(2004年3月19日の政令第540号に従い2004年9月1日施行)により追加。

 

   


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