● ノルウェー患者権利法 ●

翻訳:小村 幹夫

The Act of 2 July 1999 No. 63 relating to Patients’ Rights
(the Patients’ Rights Act)                  

患者の権利に関する1999年7月2日の法律第63号
(患者権利法)



第1章 一般規定

1-1節 この法律の目的

 この法律の目的はすべての市民に等しく良質の保健医療を確保するため、保健医療に関する権利を患者に与えるためである。この法律の各規定は患者と保健医療業の間の信頼関係を促進し、患者一人一人の生命、品位、人格の尊厳の尊重を護るのに役立つものとする。

1-2節 この法律の適用範囲

 この法律はノルウェー王国の領土に居住するすべての人に適用するものとする。国王は規則により、ノルウェー国民でない者、または王国領土内に恒久的に居住していない者にこの法律の第2章の免除を許諾できる。

 国王はこの法律をスバールバル諸島とヤンマイエン島に適用する規則を公布し、地域の状況を考慮に入れた特別規定を定めることができる。国王が規則で決定した範囲で、この法律は外国貿易に従事するノルウェー国の船舶に乗っている者、国際運行するノルウェー民間航空機に乗っている者、ノルウェー大陸棚で作業中の設置物及び船舶に居る者に適用するものとする。

1-3節 定義
 
 この法律で、下記の語の意味は次の通りとする。

ア)患者:医療を求めて医療機関と接する者、または場合によっては医療機関が医療を施す者、または施そうとする者。

イ)患者の最近親者:患者が自己の親族または最近親者とて指名する者。もし患者が自己の最近親者を指名する能力を欠くならば、患者と最大限に永続的で継続して接してきた者を、次の順序により最近親者とする:配偶者、登録されている同棲者、結婚または同棲と類似の関係で患者と一緒に生活している者、完全に法定年齢に達し法的能力のある子供、親または親の責任を持つ者、完全に法定年齢に達し法的能力のある兄弟、祖父母、患者に近い他の家族員、後見人または暫定後見人。

ウ)医療:予防、診断、治療、健康維持、機能回復の効果があり、看護・介護のために医療従事者が行う行為

エ)公共医療(機関):一次医療(機関)、専門医医療(機関)、歯科医療(機関)

オ)医療従事者:医療従事者に関する法律の第3節に示す者

   


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