● スウェーデン、ドイツ、オランダ三国の視察報告 ●
〜医療の品質とエラー管理〜



SOS Socialstyrelsen 社会保険庁
Catarina Andersson Forsman, M.D. Ph.D 医療サービス監督部長

 SOSは労働・保健・衛生の全域を管理し、戦争時の対応、感染症への対処なども行う。
スウェーデンの保健システムは前記の通り、
SOS:保健医療の分析、医療、看護に問題があれば届け出を推奨している。患者遺族からも直接的に申請することが出来る。医療やその組織の監査を行う。
HSAN:医療監督局 主として個人的な監査を担う。
患者保険局:健康保険(患者補償保険も含む)県の管理 私立の開業医が少数だがいるので彼らもこの局の保険に加入するのが義務
各コミューンの患者局
SOSは全国に6箇所の事務所がある。彼らには地区独自の課題の処理が委託されている。法律の下に働いているが、法的な不備を補填している。
医療者の資格については監査し、HSANと共同して免許に関わる決定を行っている。地方事務所を含めて年間3500−4000件の申請がある。HPにも開示している。
医療のリスクのデータベースは24,000件あり、部分的に分析にかけられる。面談形式であるが、米国型のRCA(Root Cause Analysis)の方法ではない。スウェーデン方式のリスク分析法を用いている。(詳細は不明)
スウェーデンの事故報告法はLex Maria(患者に深刻、重大な事故があれば、上級医師=各科部長はSOSに報告する義務がある)によっており、年々進んでいる。
事故報告は2ヶ月以内になされねばならない。
事故報告を受けてSOSは改善策を提案すると共に罰金や医療活動の停止を科す。
病院に対しては"医療の質"に対する改善の提案書を送る。
医療機能評価についてはTQM−1病院、ISO−?、Qul−スウェーデンで開発で行っている。
3500から4000件の申請ケースは、1000件がLex Mariaのよるもので2000件は患者あるいは遺族による。 −再調査必要−
毎年25−30件の免許剥奪例がある。
事故報告の少ない施設にはインスペクションを行う。

スウェーデン方式の評価

1.基本的には患者の苦情を受付け、そのMedical Conflictを解決することを主体とし、患者の救済=補償と医療者の審判が、分離されかつ同時進行で図られるシステムである

2.コミューンレベルの患者局、病院内のオンブズマン制度(病院自体が株式会社制度を採っているが株主は県議会であり、病院職員は全て公務員となり、当然のこととして英国に似てオンブズマンも公務員である)に始まりHSAN→SOSと個人と組織の医療事故に対する責任と義務の評価のシステムが確立していて、淡々と作業を進めている

3. 患者補償保険については、今回は調査しなかったが、県議会と保険団体連合=コンソシアムによって構成され、申請の約半数に補償を行っている

4. 裁判に移行するケースが少ないのは、裁判を嫌う民族性=Conflictの解決法は裁判外を望む医師との信頼関係の重視、医師を罰することに対する慎重性などによるものと思われる

5. 日本でもこのシステムは導入可能である

   


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