● 「地域医療支援病院の意味と紹介率論議について」 ● 医療法人医真会 医真会八尾総合病院 理事長 森 功 |
昨年末の医療法改正をうけてそれにまつわる政令・省令等が医療審議会から答申された。
すなわち、24時間救急診療を含めた急性期疾患を主体とする入院診療・開放型病院として勤務医と登録医(診療所医師が勤務医と同等の資格で病院で診療する)の共同診療を中心とした病診連携・医師免許取得後の臨床研修医のプライマリーケアー教育、及び全医師の生涯教育である。 アマチュア診療の原因という批判がある“自由標榜制=修練の如何に関わらず開業すると希望する診療科を標榜できる”での開業が主流であり、医師免許更新制という生涯教育の義務化はない。地域医療支援病院を始めるにあたって基盤にある欠陥に対する改善策がまず検討されなければならないが、実際決まった内容は“同病院の外来患者は80%以上紹介患者とする”という本旨からすれば枝葉的課題である外来制限策のみ。現在特定機能病院の平均紹介率は38.9%であり他の国立病院を始めとする基幹病院ではさらに低い。再診患者の紹介も含めて紹介率を80%以上とすることは、勤務医がかかりつけの主治医として行っている外来診療を否定することになる。診療所での医療は必ずしも標準化されたものでなく、全人的に診療されていない場合も多く、病院への専門診療の為の紹介は診療所医師の判断に任されており、患者の希望は遠慮がちにならざるを得ない。 |
[ TOPICS ] | [ NEWS ] | [ 医療裁判報告 ] | [ KENYA ] | [ HOME ] |