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「医学生を地域で育てる」 
- 地域基盤型プライマリ・ケア実習の手引き -

はじめに

 「地域基盤型プライマリ・ケア実習の手引き」(プライマリ・ケア教育連絡協議会卒前教育ワーキンググループ報告書)を作成しました。
 これは2002 年5 月にスタートしたプライマリ・ケア教育連絡協議会によるプロダクトの第2 作になります。最初のプロダクトは臨床研修における「地域保健医療研修のモデルカリキュラム」でした。現在プライマリ・ケア教育連絡協議会には日本プライマリ・ケア学会、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会、在宅かかりつけ医を育てる会、地域医療振興協会が参画しています。
医学部における卒前教育は大改革が進行しています。医師に対する国民の期待に応えるために、臨床実習を診療参加型とし、学生は実習の前に共用試験に合格しなければなりません。医学知識は膨大となったため、知識伝授型の授業から問題解決型学習、チュートリアル教育と移行しつつあります。
 しかし、プライマリ・ケア教育に関しては大学教員の一部の方々が「プライマリ・ケア=基本的臨床能力」と考えています。すなわち、大学内の資源のみでプライマリ・ケア教育を完結できるとお考えのようです。われわれはプライマリ・ケアに必須の要素として「患者さんたちの生活が見える場での医療活動」「地域における保健・福祉活動」を考えています。これらを学生に学んでもらうためには、大学外の診療所、もしくは小規模病院での実習が欠かせません。
このワーキンググループは2004 年6 月にスタートし、大滝純司、高屋敷明由美、大野毎子の諸先生が中心になり、モデル的教育活動を行っている診療所医師へのヒアリングからスタートしました。それらを題材にしてワークショップを実施し、メーリングリストを活用して今回の報告書をまとめあげました。
 先進的に診療所実習に取り組んできた各大学の若手教員、診療所医師の皆様に感謝申し上げます。診療所で学生教育をボランティア精神や教育に対する情熱で行っておられる先生方に、われわれは大いに鼓舞されました。
 なお、この研究は「診療所における臨床教育を拡充するための方策に関する調査研究」(研究代表者:大滝純司、課題番号: 16659131)との共同研究として実施しました。

2005 年7 月 プライマリ・ケア教育連絡協議会
卒前教育ワーキンググループ代表
前沢 政次
(北海道大学大学院医療システム学教授)

研修カリキュラム
医学生を地域で育てる」 
- 地域基盤型プライマリ・ケア実習の手引き -

 

 
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