介護保険
 

● 公的介護保険 ●

介護保険がやってくる −5−

提供:さくらいクリニック 院長 桜井 隆  
http://www.reference.co.jp/sakurai/

 
  脳梗塞の後遺症の忠雄さんを介護している奥さんのしげのさんが困った顔でやって きた。
片麻痺があって歩行困難な忠雄さんにしては予想外に低く「1」とでた要介護認 定のことだろうか。

「先生、ケアーなんとかゆうの、いったいどないしたらええんでっか?いろんなとこがいろいろ言うてくるけどよおわからんわ。」
「??ケアプランのことやな。忠雄さんが今受けてんのはデイサービスとショート ステイ、それにヘルパー派遣やな。今のサービスのままでよかったらそのとおりケ アプラン組んでもろたら?」
「それが、デイサービスにいっとる”かえで園”さんも、ヘルパーさんに来てもろとる”シルバー近畿”さんもどっちもうちでケアなんとかするいいはって。こないだは新しいなんやらケアサービスゆうとこがうちで全部するからまかせって言うて きはったし。どっかへたのんでしもたらよそさんが気悪うせえへんか、いうて心配で、、夜も寝られへん。」
サービス提供合戦が利用者にとって負担になっているようだ。

「いや、そんなに心配せんと、どこでも好きなとこへ頼んだらいいんですよ、 どこの店で買物するか、とおんなじですよ。廉くて品のいいところで買うのと。」
「そんなこというても世話になっとんのに。」
今まで措置制度で提供されてきたものを、いきなり一般消費と同様に考えろといっ てもなかなかむすかしいものがある。

「遠慮せんと選んでいいんですよ。とりあえずどっかに頼んで気にらんかったら変 えてもいいんですよ。ケアプランの作成には自己負担はないけどサービスは1割負 担ですから。」
「そうや、忘れとったけど負担が増えてしまうんや。えらいこっちゃ。」
「月になんぼ負担できるか考えてサービス使わんと、、それより困るのはデーサー ビスや、要介護度「1」、では半年に一週間しか使えんかもしれん。」
「えーそんな、、今までどおり毎月一週間はいってもらわんと。こっちが倒れてし まうわ。」

「それが、区分限度額、いうのがあって、、」
「他なんにもいらんからショートのお泊りだけはなんとか」
「そうゆうのが認められるといいんやけど。それより忠雄さんで要介護度「1」はあん まりや、再審査請求してみたら。」
「え、もういっぺん審査、、またあの若いべっぴんの調査員さんがきはるんでっか ?すけべじじいがまたよろこんでええカッコして一生懸命歩きますがな。もうあの人にくれてやるわ、あんなくそじじい。」
「くれてやる、、言われても、、まあ、そうおこらんと、血圧あがりまっせ。」

 

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