その他
 

● 求むサービス提供事業者 ●


提供:(株)マチュールライフ研究所
http://www.cyberoz.net/city/maturenet/

  先月末、当研究所が主催した緊急提言セミナー「あなたのまちは介護保険に答えられるか」には、多くの自治体関係者が出席された。
 第1部では、神戸市看護大学の岡本祐三教授が「介護保険と地方自治体の課題」というテーマでの基調講演され、その後第2部では、株式会社日米クックの米谷社長が「配食サービスと暮らし」というテーマで実際取り組んでいる市を事例として紹介した。

 岡本教授は、講演後のディスカッションで介護保険実施に向けた事業費の総額や低所得者の未納問題などをはじめとする自治体担当者の杞憂に対して、「具体的な事例でシュミレーションを施し、検証することが大事である」と答え、ついつい陥りがちになる抽象論的な問題の取り上げ方に警鐘を鳴らし注意を促した。  また、配食サービスに対しても参加者の関心は深く、株式会社日米クックが実施している事業の事前訪問調査から衛生管理や職員研修、さらに調理から配食車による配送システムまで一連の流れに聞き入っていた。

 現在ほとんどの自治体で実施されている社会福祉協議会での配食事業やボランティアグループによる配食サービスの限界から、安否確認も兼ねている日米クックの配食事業は今後より一層各自治体の関心を集めるであろう。
 またセミナーに先駆け自治体に向けて実施したアンケートでは、「12年4月施行に向けて不安なことは」という問いに対して、「サービス提供事業者の確保」「庁舎内の体制づくり」「保険料の徴収」という回答が多く見られた。

 特に、当研究所がこれまで接した自治体のほとんどで聞かれるのは、本音として「今の社会福祉協議会では介護保険実施後のサービス提供事業者として期待できない」という声であった。本来は様々な住民ニーズに柔軟に対応できるよう別法人組織でありながら、役所以上に硬直的になり融通が効かないという自治体関係者からの苦言を耳にする。
財政的な面を含め、要支援状態にあり事業展開のためにも真の自立が必要なのは各自治体の「社会福祉協議会」自身かもしれない。
 社会福祉協議会関係者は、介護保険施行後の将来をどのように描いているのか。当事者としての声を聞いて見たいものである。

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