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● 工房「NOBBY」の活動を通して ●


伊丹市  工房「NOBBY」(取材)

 先日、工房におじゃましてみなさんの活動を拝見してきました。
一軒屋をお借りして週1回(月曜日)、メンバーが集まり手染めの作品を創られています。手染めの作品を創られているのは、みなさん何らかの障害のある方々ですが、こちらの工房では、“作家さん”として活躍されておられます。代表の前田さんに「NOBBY」を始められたきっかけや現在のお考えなどをお聞きしました。

◆ きっかけ

作家  代表の前田さんは、阪神大震災で住んでいた家が半壊となり、現在の工房の家に仮住まいしていた時に友人に誘われ、気分転換にと行った場所が手染めの工房で、そこでエネルギーあふれる手染めの作品に出会い、「自分もしてみたい」と思ったのがきっかけで、工房の先生に無理を承知でお願いしたところ、快く手染めの工法を伝授してもらい、ご自分の住んでいる伊丹市で始められました。

 以前前田さんはお家などで、フラワーデザインなどを指導していたので、手染めには自信があり作品を描いてみましたが、納得のいく作品が描けなかったそうです。そこで、以前から地域のボランティア活動に参加していた関係で、近隣の障害者の方々に呼びかけ公民館などで、手染めの描き方を指導しながら作品をつくり始めたところ、自分には描けないような素晴らしい作品を描かれたのを見て、手染めは障害者の方々に描いてもらい、自分達は出来上がった手染めの作品を何らかの形に加工し、販売していくことを決められたそうです。

◆ 作品について

作品  「NOBBY」は生地や染料にもこだわり、全て天然素材を使用しています。生地は、質のよい絹や綿を選び、染めの原料は自然の物から抽出されたものを、描く糊はうどん粉を使用しているので洗濯をしても害がないそうです。また、洗濯で洗い出された水を再度染料として使用し、全ての物を無駄なく使っておられます。
 また、手染めには失敗がなく気いにいった作品を仕上げるまで、描いたデザインの上から何度でも重ねて描くことができ、それが手染めの利点であり、作家さんにとっても楽しみながら思い切って描くことができるそうです。作家の方がつくられた手染めをどのように加工したらよいか検討するのに時間が掛かる分、よい作品が出来上がるそうです。

◆ “作家さん”との関係について

作家  代表の前田さんは、「障害者のために」とか「障害者の方のお手伝いができれば」というような考えは全くなく、「自分の大好きな手染めの作品を創っていく上で作家の方と役割分担をし、ハードとソフトを共有しているだけです。」と話しておられました。
 私達は、障害者の方々に対して「支援」や「援助」という言葉を使いがちですが、前田さんのお話や活動を見ていると一緒に時間を共有することで、お互いを理解し尊重しあい、一つひとつの作品を大切に創っていることがよくわかりました。

作品 作品 作品

作家の方が描いたデザインをコピーしたもの

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