医療記録の開示
 

● 自己の医療情報は自分でコントロールする ●



提供:だいとう循環器クリニック 院長:大頭 信義(姫路市) 

  「お任せ医療」は、患者と医療者の間で好まいい方法ではないと考えられるようになってきました。
「すべて先生に任せる」とか「命、預けます」と言っても、医者の方は内心では、「いやいや、とてもそんなものは引き受けられないよ」と考えています。
 自分が、自己に責任をとるのが面倒な時に飛び出すのが「おまかせ」という言葉ではないでしょうか。

 患者の人権が意識され、医療への参加が求められる中で、どうすれば自分の医療情報を常日頃から準備し、整理し、利用していけばいいのでしょうか。これは、上手な医療機関の利用方法ということにもなりましょう。
 私たちのクリニックでの試みや工夫、また患者さんからの提案を中心にまとめてみましょう。

1.初診の時には

◇「病歴力―ド」を作成しておいて提出する

 これには、あなたの過去の病歴、現在や将来へ向けての健康上の心配事を書き出してリストにしておきます。手術や大きな病気の記録です。また、がんの場合に自分に説明して欲しいと考える方はその旨も書きます。また、回復不能の疾患の場合には延命治療をやって欲しくないといった希望も書き添えます。
これまでにおよそ140名の方がこの「病歴カ一ド」を作製しておられますが、そのうち2名の方が「がんはとても恐いのでそんなことは私に話さないで下さい」という希望がありましたが、その他の方はおおむね「自分に直接説明して欲しい」というご希望でした。

◇これまでの検査デ―夕―を見せる

 検診の結果はこういうものでしたという時以外には、多くの方が検査データ一を手元にお持ちでない。たとえば、顔や足が最近腫れてきたとの件で受診された、でも、検査結果は「1ケ月前に他院で血液を調べたが何ともなかったんじゃないかなあ」という説明が多い。検査結果はできれば、コピ一をしてもらってくる、あるいは、自分のノ―トを持っていってメモしてくる。どの点が大切なのかを医者にきちんと尋ねる、といった方法が大切です。

◇服用している薬を持参する

 初診時には、現在服用している薬やその説明書を持参する。最近は、薬剤情報を手渡してくれる医療機関が急激に増えています。ぜひ、他の医療機関でもそれを見てもらいましょう。
 高血圧の方は診察の日に薬の服用を止めてくる必要はありません。この薬をのんでいてそして今血圧がこれくらいだと判ればいいのです。

※くすりに関することですが、できれば長期にのみ続ける薬は、薬剤名と作用を覚えましょう。短期のものも(たとえば、風邪ぐすりなどは抗生物質、消炎剤などと)すくなくとも作用だけは知りたいものですね。

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